<2024年2⽉を振り返って>⼭内英貴
2月も、年明けからの流れを引き継ぎ、株高・ドル高が続きました。米国金融政策に対する見方には幅があるものの、実体経済の軟着陸という楽観的メイン・シナリオに支えられ、大型テック株に先導された米国株式は高値を更新、日本株も史上最高値を更新する形で上昇しました。
成長型では、各資産クラスの中で国内リートだけがマイナス貢献となりましたが、日銀の金利正常化への動きに加えて、中国の不動産不況の影響も懸念されたものと思われます。
一方、足許、日米金利差の行方が大きなテーマのひとつです。コロナ禍以降のインフレ環境への転換後、日米金融政策のギャップが拡大し、為替市場では大きくドル高円安が進みましたが、この動きに変化が生じるのか注目されます。当戦略は、円建ての期待リスクを一定水準(年率8%)に保ち、そのリスクテイクの結果として獲得できるリターンを長期的に積み上げていくことを目指しています。リスクオフ相場で急速な円高が進行すると一時的にドローダウンが拡大する懸念があることからも、原則として為替リスクはヘッジする方針です。
ここ2年強、日米金利差拡大に伴う急速な円安とヘッジコストの高騰により、為替ヘッジなしのポートフォリオと比較して相対的に苦戦してきましたが、戦略ポートフォリオの原則は堅持し、さらにオルタナティブ投資を活用した分散の高度化により、リスク・リターンの最大化を目指してまいります。短期・中期の変動に振らされずに、変化し続ける環境にも右往左往することなく、グローバル経済の成長という果実を長期的に蓄えていく運用を徹底してまいります。