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<2023年11⽉を振り返って>⼭内英貴

 11月は一転して米国経済の軟着陸に対する楽観が市場を支配し、株式・債券など主要資産は上昇しました。FRBによる利上げ終了と来年早い段階での利下げまで織り込む展開となり、10月とは一転様変わりです。


 海外市場では、11月末で年次決算を閉めて、12月はホリデーシーズン入りする市場参加者が多いことが知られていますが、非常に苦しかった2022年に対して、2023年はほっと一息つける年の瀬になったのではないかと思われます。金融引き締めの継続から債券市場はマイナスリターンですが、11月にかなり回復し、株式市場は2022年のマイナスをほぼ取り返す堅調な一年でした。ただし、月替わりのように目まぐるしく市場のムードが入れ替わり、ボラティリティの高い環境は来年にかけても継続するものと思われますので、楽観悲観どちらにせよ市場予想のようには進まないと考えておくべきでしょう。


 米国経済動向(インフレ・金融政策・企業収益)、地政学リスク、中国経済動向(不動産バブル・物価動向)など引き続き材料には事欠きませんが、12月に入って円高ドル安に振れた為替市場の動向には注目しています。海外主要中銀から周回遅れとされる日銀の金融政策は為替市場に大きな影響を与えることになりそうです。


 2008年のリーマン危機や2011年の東日本大震災後、2012年から始まった第2次安倍政権の「アベノミクス」相場は、金利低下(債券高)・株高・円安のトレンドを定着させました。為替リスクを原則としてヘッジしてきた当戦略と異なり、為替ヘッジをせずに外貨建資産を保有するポートフォリオにリターンをもたらしてきました。しかしながら、為替市場にも長期的観点からの転機を迎える可能性が出てきたと考えています。


 GCIエンダウメントファンドは、オルタナティブ投資を活用した分散の高度化により、ポートフォリオのリスクをコントロールして、リスク・リターンの最大化を図ることを目指してまいります。短期・中期の変動に振らされずに、変化し続ける環境にも右往左往することなく、グローバル経済の成長という果実を長期的に蓄えていく運用を徹底してまいります。