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<2023年10⽉を振り返って>⼭内英貴

 当月の市場は、中東情勢緊迫化という新たな地政学リスクに影響を受けましたが、印象的だったのはその反応の仕方でした。


 10月7日のハマスによるイスラエル攻撃直後は、株式など「リスク資産」から「安全資産」である米国債などに逃避するという、かねてより市場が信じてきた教科書的な反応でしたが、当座の反応が一巡すると、一転して米国債も売られ(金利は上昇)、ほぼすべての資産クラスが軟調に推移しました。11月に入って、その動きは一巡し、反動も出ていますが、10月後半の市場の動きは、債券がポートフォリオにおける安全資産として今後も機能し続けるのか、あるいは、インフレ的な市場環境下では債券と株式の相関構造にも変化が生じているのか、大いに考えさせられるものでした。


 FRBによる金融引締めが終了するのか、日本銀行による量的金融緩和政策の「正常化」がどのように進むのか、あくまで市場のメイン・ドライバーは実態経済と金利(正確にはイールドカーブ)の動向ですが、地政学リスクは供給サイドに対する負荷となり、コモディティ価格やサプライ・チェーンを通じてインフレ要因となる可能性に市場が着目しているということなのかもしれません。


 こうした市場環境の変化に対しても、GCIエンダウメントファンドは、オルタナティブ投資を活用した分散の高度化により、ポートフォリオのリスクをコントロールして、リスク・リターンの最大化を図ることを目指してまいります。短期・中期の変動に振らされずに、変化し続ける環境にも右往左往することなく、グローバル経済の成長という果実を長期的に蓄えていく運用を徹底してまいります。