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BUSINESS

<2023年7⽉を振り返って>⼭内英貴

 7月の株式市場は堅調に推移しました。米国ではCPIが落ち着いた数字となった一方、GDPなど経済成長の持続性を確認したことから、インフレの落ち着きと同時に景気後退を免れるという軟着陸シナリオが支配的
になりました。S&P500指数は堅調に推移し、1987年以来36年ぶりの13営業日連騰を記録しています。

 一方、月末にかけて、主要中央銀行の政策決定会合があり、とくに注目された日本銀行がイールドカーブコントロール(YCC)柔軟化を決定し、長期金利の上限が事実上0.5%引き上げられて1.0%となりました。しかしながら、市場の反応は比較的落ち着いており、昨年のようなパニック的な債券売りはみられませんでしたが、米国債の一部格下げなどの要因も重なり、グローバルな債券市場は軟調(金利は上昇)でした。

 植田新総裁就任後も金融緩和からの転換に慎重な姿勢をみせてきた日銀による今回の動きは、グローバル金融市場に対する無制限の流動性供給の震源がいよいよ方針転換した第一歩ととらえることもできます。物価上昇に対して中央銀行が後手に回るリスクも軽視できないことも踏まえると、中長期的に債券投資には難しい環境が続くと考えられます。

 GCIエンダウメントファンドは、オルタナティブ投資を含めた分散の高度化により、ポートフォリオのリスクをコントロールして、リスク・リターンの最大化を図ることを目指しています。短期・中期の変動に振らされずに、変化し続ける環境にも右往左往することなく、グローバル経済の成長という果実を長期的に蓄えていくことを引き続き徹底してまいります。