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<2023年6⽉を振り返って>⼭内英貴

 グローバル投資家の半期末となる6月は、一部で心配された米国債務上限問題が片付き、米国金融政策も利上げ見送りとなったことなどを受けて、株式市場は堅調に推移しました。月末前週からのリバランスの売りや、米国の物価動向と金融引締め再開に対する思惑などから調整が入ったものの、米国株式市場は引き続き底堅く推移しています。
 また、日本株も大型株主導で、円安と歩調を併せるかのように大きく上昇しましたが、6月は動かなかった日銀が7月に政策変更を行うのではないかとの見方が一部で台頭し、足許は上昇一服となっています。市場対日銀の構図が注目された一年前と今年の市場環境は一変していますが、政治動向もあり、7月の日銀政策決定会合は注目です。
 一時に比べて、日米金融政策に対する市場の関心は落ち着いた印象ですが、30年間に及ぶ過去に例をみない金融緩和と財政拡大の帰趨は、為替を含めて、長期的な方向性に多大なる影響があることは間違いなく、注視しています。

 GCIエンダウメントファンドは、オルタナティブ投資を含めた分散の高度化により、ポートフォリオのリスクをコントロールして、リスク・リターンの最大化を図ることを目指しています。一方、グローバルな分散ポートフォリオを運用していくうえで、為替リスクに対してどう取り組むのかは依然として大きな課題です。為替それ自体は、株や債券などの資産クラスと異なり、リターンの源泉を持つ投資対象ではないことから、円建てリスク・リターンの極大化のためにフルヘッジを貫いてきましたが、内外金利差の拡大からヘッジコストが高まっているのも事実です。
 次回9月前後のアニュアル・レビューに向けて、この問題をどう考えるか検討を進めていきます。
 いずれにせよ、短期・中期の変動に慌てることなく、常に変化し続ける環境にも右往左往することなく、グローバル経済の成長という果実を長期的に蓄えていくことを徹底してまいります。


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