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BUSINESS

<2022年7⽉を振り返って>⼭内英貴

 7月のマーケットは、米国を中心とするインフレ懸念が後退したことを受けて、長期金利が低下し、株式市場はリバウンドしました。140円超えをにらんでいた為替(ドル円)も大きく調整しています。

 GCIエンダウメントファンドはヘッジファンドを除く、すべての資産がプラス・リターンとなりました。当ファンドが投資対象とするヘッジファンドに期待される主な役割は、市場に現れる中長期の上下のトレンドを収益化し、結果的に月次リターンのぶれを抑制することです。当月は、残念ながらプラス・リターンで終えることはできませんでしたが、ポートフォリオ全体の短期的な変動を比較的小さくすることに関しては過去からの運用を含め、一定の役割は果たしていると考えております。

 市場を動かす要因が、欧州・アジアの地政学的材料からグローバルなインフレ懸念、そして中央銀行の政策変更に至るまで多岐にわたっており、FRBすら先行きのガイダンス(見通し)の提示を行わないことにするほど一段と不透明な状況ですので、今後もボラティリティの高い環境は続くと考えておく必要があります。

 一方、グローバル経済が長期的に成長する限り、資産価格はどこかで底打ちし、忍耐強い投資家にリターンをもたらすことになります。GCIエンダウメントファンドは、市場の先行きを予想して当て続けることは不可能であるとの考え方に基づき、オルタナティブへの配分を含めたリスク分散を可能な限り行う設計となっています。引き続き「慎重なる楽観」という姿勢を崩さず、受益者のみなさまとともに、所定のリスクを取り続け、長期的なリターンの積上げを目指してまいります。