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BUSINESS

<2021年12⽉を振り返って>⼭内英貴

新年あけましておめでとうございます。


コロナ禍との闘いは丸二年を経過しましたが、変異株(オミクロン株)の感染拡大に伴い、終息の気配はみえないままの年明けとなりました。欧米を中心に、コロナ終息を断念し、共存していく道に政策転換する国
が増える中、日本を含む東アジア諸国は依然としてコロナ撃退を掲げていますが、私たち市民レベルの対応も含めて、コロナ禍3年目となる今年は、「何らかの形での収束」という出口が見えてくるのではないかと期
待しています。


歴史を振り返っても、猛威を振るった伝染病の災禍は3年が収束の目途でした。「コロナ禍からの正常化」が今年のマーケットのテーマになるのではないでしょうか。
コロナ禍によって起こったのは、実態経済の落ち込みと資産価格の上昇でした。企業や労働者はたいへんな苦労をする一方、金融資産を保有していた投資家はリターンを享受しました。一見矛盾する動きが、過去に
例をみない政策の結果、併存した訳です。


経済活動が回復に向かい、資産市場を支えた経済政策の正常化が図られると、金融市場からは流動性が吸収されて金利には上昇圧力がかかります。コロナ禍を挟んで、2008年のリーマン・ショック以降、債券高(金
利低下)と株高が共存する市場環境が続いてきましたが、今年は転機を迎えそうです。中央銀行が物価と金利をコントロールしている限り、資産市場が大きく崩れることを容認しないだろうというのが市場のコンセ
ンサスですが、巨大なタンカーの方向転換を行うには、時間をかけて少しずつ舵を切っていく必要がありますので、今年の市場は相応にボラティリティが高まるのは避けられないと思います。


一定の変動は覚悟の上で、引き続き「慎重なる楽観」という姿勢を崩さず、受益者のみなさまとともに、所定のリスクを取り続け、長期的なリターンの積上げを目指してまいります。