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BUSINESS

<2021年2⽉を振り返って>⼭内英貴

 2021年に入ってからも一本調子といっていい上昇基調が続いていた株式市場ですが、2月下旬になり、米
国長期金利上昇を機に反落した後、やや不安定な動きとなっています。

 2月のGCIエンダウメントファンドは、株式とリートが月初来の上昇分のほとんどを失う形になったものの
プラスを確保。債券はマイナス貢献となりましたが、オルタナティブ戦略として組み入れているヘッジファ
ンドがカバーし、成長型・安定型ともに2月をプラスで終えました。

 長期金利に上昇圧力がかかっているのは、①米国経済が予想よりも堅調な回復を示していること、②ワクチ
ン接種が本格化しコロナ禍の収束に向けた期待が膨らんだこと、③順調な経済活動の回復にもかかわらず一
段の強力な財政出動を米国バイデン政権が決定したこと、が主たる要因ですが、低金利を理由に正当化され
てきた株高にとってはマイナス要因となります。一方、ここまでの株高と実態経済の低迷との乖離が懸念さ
れてきたわけですから、健全な調整という見方もできるでしょう。

 加えて、低金利とイールドカーブの平坦化が金融機関経営に及ぼすネガティブな影響を、長短金利差拡大は
改善させる効果を期待できる面もあり、主要中央銀行の反応もいまのところ落ち着いたものです。

 ただし、もっと長期的にみると、金利低下(債券高)に限界が見え始めた中で、コロナ禍もあってアクセル
全開にした金融財政政策をどう正常化させるのかという難しい問題は手付かずであり、ひとつかじ取りを誤
ると大きなショックにつながるリスクを依然として抱えたままであることは頭に入れておきたいと思いま
す。

 以下のインタビュー記事でも、その辺の話に触れておりますので、ご参照ください。
「慎重なる楽観」で意外に脆弱じゃない株式市場 ヘッジファンドGCIの山内英貴CEOの市場分析

(※当該記事は移動したページ内にリンクがございます。)

 引き続き「慎重なる楽観」という姿勢で、受益者のみなさまとともに、整斉と所定のリスクを取り続けてま
いります。日々目まぐるしい動きには一喜一憂せず、腰を据えて運用を続けてまいりましょう。