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Managed Futures(マネージド・フューチャーズ)戦略の基礎 ②

Managed Futures(マネージド・フューチャーズ)が先物(Futures)を管理(Managed)して収益を上げる運用戦略であることは、前回申し上げました。

(前回の内容はこちら)


また、投資対象資産が株価指数・金利指数/国債先物・為替先物・商品先物といった金融商品先物であり、これらの資産を組み合わせてポートフォリオを構築することもお伝えしたとおりです。
では、こうした多数の資産をどのように選択して、どう組み合わせれば収益性を持ったポートフォリオを組めるのでしょうか。


実はそこがマネージド・フューチャーズのポイントです。


商品も入れると、マネージド・フューチャーズの投資対象は50や60ではききません。上場先物からCFD(Contract for difference)という相対取引も入れると、1万を超えると言われます。
その中から、どうやって投資対象を選んでポートフォリオを組成するのか・・・。
いかにポートフォリオ・マネジャーが優秀だとしても、一つ一つの対象資産を手計算でシミュレーションし、過去のデータから値動きを推定し、様々なイベント下でどのような動きをしてきたか等を考慮するのは不可能です。


ここで登場するのが、ポートフォリオを構築するためのツールである計量モデルです。計量モデルにはポートフォリオ・マネジャーや運用会社によって、いろいろな考え方に基づいて設計・運用されます。
数理ファイナンスの世界で研究対象となっている理論をベースとしたものから、宇宙工学を基本としたものも存在すると聞きます。このように、過去のデータ分析やトレンド予想などを統計的・計量的に数理分析することから、こうしたアプローチはクオンツと呼ばれます。
(クオンツは、英語のquantsからきており、もともとはquantitative=統計的・計量的という形容詞)
したがって、マネージド・フューチャーズのポートフォリオ・マネジャーは統計的・計量的素養が不可欠で、運用を支えるクオンツ・アナリストにも同様の能力が必要で、理系出身者がほとんどを占めています。


残念ながら、日本の資産運用業界では理系人材はまだまだ少ないのも現実であり、欧米などに後れを取っているのも事実です。