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<2026年9月:ビッグ・ピクチャーを更新しました。>

 年に一度の基本資産配分の点検に合わせて、当ファンドでは、その前提となる「ビッグ・ピクチャー」を確認しています。ビッグ・ピクチャーとは、足元の市場を予測するものではなく、10年程度の時間軸で世界経済と金融市場の構造変化を捉え、長期的な資産配分の前提を確認するものです。
 私たちの基本的な認識は、世界経済が長く続いた低インフレ・低金利の時代から、「名目成長レジーム」へ移行したということです。

■ ディスインフレの終焉と「名目成長レジーム」への移行
 1980年代以降、グローバル化、市場経済の拡大、情報通信革命は世界経済の成長を促すと同時に、強いディスインフレ圧力をもたらしました。しかし、コロナ禍以降の大規模な財政・金融政策、地政学リスクの高まり、サプライチェーンの再構築などを契機として、この構造には大きな変化が生じています。

 一方で、人類の技術革新と世界経済の成長力そのものが失われたとは考えていません。AIをはじめとする技術革新や旺盛な設備投資は新たな成長の源泉となっています。したがって、今後の世界を単純な「低成長・高インフレ」とみるのではなく、成長とインフレが併存し、名目ベースの経済規模や企業収益が拡大する一方、金利や市場変動も高まりやすい環境と捉えています。

■ 資産配分は、複数のリターン源泉を組み合わせる
 この環境では、株式は引き続き長期的な成長を取り込むための重要な資産です。一方、インフレや財政拡張が金利を押し上げる局面では、債券が常に株式のリスクを相殺するとは限りません。また、為替、商品、金利、地政学など、市場を動かす要因も多様化しています。だからこそ重要なのは、将来を一点で予測することではなく、異なる環境で機能する複数のリターン源泉を組み合わせ、環境の変化に応じてその組み合わせを点検し続けることだと考えています。

■ Adaptive Endowment ― 原則は不変、実装は可変
 私たちは、この考え方を「Adaptive Endowment(アダプティブ・エンダウメント)」と呼びます。
  米国大学基金に代表されるエンダウメント型の長期分散投資を基本としながら、その資産配分を固定的なものとは考えません。長期的な原則は維持しつつ、経済・市場の構造変化に応じて、その実装を進化させていく。いわば、「原則は不変、実装は可変」という考え方です。

 市場の短期的な動きに反応して資産配分を頻繁に変更することはありません。しかし、前提そのものが変化したと判断すれば、必要な見直しを行います。分散とリスク管理を運用の軸としながら、世界経済と企業の長期的な成長を取り込み、さまざまな市場環境に耐えられるポートフォリオを構築すること。それが当ファンドの目指す長期運用です。

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