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<2024年5⽉を振り返って>⼭内英貴

 5月は前月の調整を経て、総じて良好な市場環境となり、日本銀行の利上げ観測が根強くなってきた影響から、成長型では軟調だった国内リート、安定型では軟調だった国内リートと海外債券(グローバル除く米ドル建て)を除いて、ポートフォリオの各資産クラスはおおむねプラス貢献となりました。とくに、配分比率の高いヘッジファンドがパフォーマンスを牽引しました。

 金融政策の先行きを巡って大きな振幅が続く米国と異なり、日本では35年来のほぼ一方的だった金融緩和政策からの脱却(正常化)が展望されており、円建債券は一貫して振るいませんが、当戦略では基本資産配分において円建債券への配分を行っておりません(ゼロ金利政策に伴い、配分をゼロに)ので、影響はありませんでした。当面は、円金利は上昇基調が見込まれますので、この方針は今後も継続です。

 日米ともに、金融政策の行方次第で株式市場も短期的に影響を受けますが、インフレ的な経済環境下での株式は投資対象として最も魅力的な資産クラスです。債券への配分は、期待リスクを管理するために必要最小限にとどめ、インフレに強い株式と全天候型のヘッジファンドを牽引役とするポートフォリオとなっています。

 引き続き、円ベースの期待リスク水準(成長型:年率8%、安定型:年率5%)を一定に保つ戦略ポートフォリオの原則を堅持し、さらにオルタナティブ投資を活用した分散の高度化により、リスク・リターンの最大化を目指してまいります。短期・中期の変動に振らされずに、変化し続ける環境にも右往左往することなく、グローバル経済の成長という果実を長期的に蓄えていく運用を徹底してまいります。

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