資産運用を
コラム学ぼう!
Let's learn by column

BUSINESS

<2022年6⽉を振り返って>⼭内英貴

 このところ、マーケットに影響を与えるような不測の材料が飛び出すことが少なくありませんが、大きな潮目としての市場環境をみると、長らく続いてきた緩和的な金融財政政策とそれに支えられた幅広い資産価格の上昇が転換しつつありそうです。インフレや地政学リスクなど、短期的に市場を動揺させる材料には事欠きませんが、一方、実態経済はグローバル化の調整をしながら、次なる常態へと成長の道筋を探っているステージなのだと思います。


 時間とともに変わることも少なくありませんが、大きなトレンドとしてのグローバル化と経済成長が終わったとは思えません。私が改めて申し上げるまでもありませんが、長期資産運用の基本は、短期的な変動に振り回されずに、成長の果実をじっくりとリターンとして積み上げていくことです。


 GCIエンダウメントファンドは、オルタナティブ投資を活用することで、できるだけ安定的にリターンを獲得することを第一にしています。円ベースでのリスク・リターンを効率化するために、為替リスクはとらずにヘッジする方針のため、為替をオープンにしている場合と比べてヘッジコストが足を引っ張る形になってしまっています。日銀の金融政策に対して、世界的に注目が集まる中、短期的にはもう一段のドル高円安の可能性も十分あり得ますが、少し長い目でみると反動のリスクが高まるとみています。


 GCIエンダウメントファンドは、市場の先行きを予想して当て続けることは不可能であるとの考え方に基づき、オルタナティブへの配分を含めたリスク分散を可能な限り行う設計となっています。引き続き「慎重なる楽観」という姿勢を崩さず、受益者のみなさまとともに、所定のリスクを取り続け、長期的なリターンの積上げを目指してまいります。