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BUSINESS

<2022年3⽉を振り返って>⼭内英貴

GCIエンダウメントファンドの特徴であるオルタナティブが効果を発揮しています。ショートポジションを活用できるヘッジファンドが下げ相場でプラス貢献し、ポートフォリオとしてのリスク分散が所期の狙い通りに機能する形で、荒れ模様の市場環境でも落ち着いた運用を継続しています。

ウクライナ情勢は混迷を深めていますが、マーケットは常に先を織り込もうとします。

当初は、典型的なリスクオフで急激な債券高(長期金利低下)と株安の反応を示しましたが、これはインフレ懸念からの金利上昇を見込んでいた市場参加者によるポジションの調整で、その後はインフレ圧力の台頭を背景とした金利上昇が続いています。地政学要因は、マーケットと実態経済に影響を与える重要

材料ではありますが、それ自体はいずれ収束する一過性のもので、そもそもの市場環境にどのような、どの程度の影響を与えるかが重要です。その意味では、物価動向と金融政策の帰趨が長期的なリターンのカギを握ります。
1990年前後から30年以上も続いてきたディスインフレと金利低下というトレンドは、冷戦終結によるグローバル化という平和の配当を背景に、世界経済の成長を支えてきましたが、いままさに転換期を迎えているように思います。

GCIエンダウメントファンドは、市場の先行きを予想して当て続けることは不可能であるとの考え方に基づき、オルタナティブへの配分を含めたリスク分散を可能な限り行う設計となっています。長期資産運用にとって最も重要なのは「ブレずに継続する」ことです。引き続き「慎重なる楽観」という姿勢を崩さず、受益者のみなさまとともに、所定のリスクを取り続け、長期的なリターンの積上げを目指してまいります。