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BUSINESS

<2021年3⽉を振り返って>⼭内英貴

 コロナ禍が本格化してから一年が経過し、私たちの日常もすっかりウィズコロナが定着してきました。日本
ではまだまだワクチン接種が進まず、日常生活は一進一退が続きますが、イスラエルや英国などではワクチ
ンの効果が目立ってきましたし、米国の経済回復も市場の予想を上回る状況です。


 高騰する資産価格と低迷する実態経済の乖離が懸念されてきましたが、むしろコロナショックが契機となっ
て、私たちの働き方・暮らし方が大きく変わり、それに沿ったイノベーションが加速していくのかもしれま
せん。我慢の続く家計には、政府財政悪化と引き換えに潤沢な購買力が蓄えられており、それが解放された
場合にはむしろ景気が思いのほか回復していくポジティブサプライズの可能性もありそうです。


 もっとも、実態経済が持ち直すと、引き換えにインフレ懸念と金利上昇圧力がかかりやすくなり、中央銀行
のかじ取りは難しくなり、そうなると金融市場も不安定になる可能性があります。また、米中間の緊張もコ
ロナ禍とともに市場の軽視できない心配の種です。


 そうしたリスクを念頭に置きながらも、予想し難い短期的な市場変動に振り回されず、グローバルな構造改
革とそれに伴う成長からのリターンをじっくりと積上げていきましょう。引き続き「慎重なる楽観」という
姿勢で、受益者のみなさまとともに、整斉と所定のリスクを取り続けてまいります。