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BUSINESS

<2020年8⽉を振り返って>⼭内英貴

 主要国の株式市場は、コロナショックによる急落を取り戻す水準まで回復してきました。それもわずか5か月間です。

 有効なワクチンの開発には至っておらず、COVID-19が終息したわけではないこと、実態経済の回復には相当程度の時間がかかりそうであること、を考えると、政策に支えられているとはいえ、驚きの展開です。なかでも、その主役となっている米国超大型テクノロジー株式の上昇には目を見張るものがあります。主要国の金利がほぼ消失し、めぼしい投資対象が限られる中で、「アフター・コロナ」の世界とも整合的な将来像を描けるこうした一部株式に対して、世界中の溢れかえる流動性が殺到しているような印象です。

 一方、一時的でありますが、時価総額ベースで、Russel2000(米国中小型株式)をアップル一社が上回るという事象が生じたり、一部投資家による株式オプションでの大口取引が相場上昇に拍車をかけているとの話題が取りざたされたりと、少々気になる材料も散見されます。いずれにせよ、株式市場と実態経済の乖離が拡大しているのは覆い難い事実であり、いずれ何らかの収に向かうと考えておきたいと思います。

 ここまで強い株式市場を日々見せつけられることは強烈な誘惑かもしれませんが、私たちはブレることなく、いざという場合にも備え得る分散ポートフォリオを維持して、堅実に歩を進めていきましょう。万里の道も一歩ずつ!!です。