<2026年4月を振り返って>山内英貴
<今月を振り返って>
4月のグローバル株式市場は、米国とイランの停戦交渉開始を背景に投資家心理が改善し、半導体・AI関連を中心に大きく上昇しました。ナスダック総合指数とS&P500指数は史上最高値を更新し、日経平均株価も一時60,000円の大台を突破しています。一方、ホルムズ海峡情勢を巡る原油価格の高止まり懸念から、各国国債利回りはインフレ警戒で上昇基調となり、日本10年国債利回りは2.5%を超え、約29年ぶりの高水準に達しました。 こうした株式市場の戻りを受け、当ファンドの月次騰落率は成長型+3.9%、安定型+1.7%と、3月の下落を一定程度取り戻す結果となりました。基準価額への寄与は、日本株、先進国株(米国・除く米国)、新興国株、国内・海外リートが中心で、株式市場のリスクオン局面における伝統資産の役割が改めて確認された一方、インフレ環境の定着を背景に債券には依然として逆風が続いています。
‐組入れヘッジファンドの寄与について‐
一方、当ファンドが組み入れる2本のヘッジファンドについては、3月4月の市場急落・急反発局面で、本来期待される分散効果を十分に発揮することができませんでした。株式市場が急反発した4月の両ファンドの月次騰落率はほぼ横ばいにとどまり、3月の損失をカバーするには至りませんでした。GCIシステマティック・マクロファンドは、トレンドフォロー系CTAに分類される戦略です。ノイズによる取引コストを抑制するため、リバランス頻度を抑えた設計となっており、今回のように、3月のブルトレンドからの転換、4月はそこからの反発、というトレンド転換局面が連続する局面は苦手な面が出てしまいました。GCIディバーシファイドアルファファンドはマルチモデル(複数戦略)ですが、マーケット・ニュートラル系を主体としており、4月のヘッジファンド業界全体の追い風には乗りにくい局面となりました。
こうした状況は長期資産運用の過程では起こり得る範囲内の出来事です。重要なのは、短期的な結果に過剰反応して戦略そのものを変更したり、市場が戻った局面で楽観しすぎてリスクを取り過ぎたりせず、当初設計したアセットアロケーションと運用哲学を、規律をもって維持することだと考えています。
ただし、「規律」は「放置」ではありません。当ファンドが組み入れるヘッジファンド2本については、今回の結果を引き続き丁寧に検証し、改善に努めてまいります。現時点では、3月のように株式・為替・債券・商品が同時にストレスを受ける環境は、伝統的な分散もヘッジファンドの相対価値型・市場中立型の戦略も同時にストレスを受けやすい一時的局面と判断していますが、予断を持たずに継続的にモニタリングしてまいります。
‐長期的な投資環境認識:名目成長レジームへの転換‐
長期的な視点でみたとき、私たちが想定している投資環境は、債務拡大とインフレが共存する「名目成長レジーム」です。4月の日本10年金利が約29年ぶりの高水準に達したこと、原油高がインフレ警戒として再浮上したこと、各国の長期金利が総じて上昇したことは、この大局観の延長線上に整理できる動きです。こうした環境下では、現預金や債券にとっては実質的な購買力を守ることが構造的に難しく、株式やヘッジファンドのような「実体経済の成長」「市場の動き」を収益源とする資産の組み合わせが、長期資産形成の基本形であるという認識に変わりはありません。
当社のビッグ・ピクチャー「名目成長レジームへの転換」については、当社ホームページで公開しておりますので、ぜひご一読ください。
GCIエンダウメントファンドでは、足元の組入れヘッジファンドの苦戦を真摯に受け止め、戦略検証と改善努力を継続してまいります。そのうえで、株式(長期成長)とオルタナティブ(分散・多様な収益源泉)の組み合わせという基本路線を、リスク管理を最優先しながら、引き続き堅持してまいります。
ファウンダー・代表取締役CEO兼社長 山内英貴
※上記コメントは、2026年5月11日に作成したものです。