資産運用を
コラム学ぼう!
Let's learn by column

BUSINESS

<2026年2月を振り返って>山内英貴

 多くの資産で長期トレンドが成熟局面に入りつつあるようです。
 今月の金融市場は、金融政策、政治、そして地政学といった複数の要因が同時に市場を動かす局面となりました。特に足元では中東情勢の緊張が高まり、イランを巡る軍事衝突への懸念が市場のリスク認識に影響を与えています。
 日本では衆議院解散総選挙で与党が大勝したことを受け、財政拡張への期待から国内株式市場は上昇しました。一方で積極財政への警戒もあり、日本の長期金利は高止まりする展開となりました。日本国債の金利上昇はグローバルな債券市場にも影響を及ぼし、世界的に金利のボラティリティが高まる要因となっています。
 為替市場では、円安の進行が続く中で、米国側からの牽制的な姿勢も意識され、ドルの調整局面も見られました。こうした金利や為替の変動は商品市場にも波及し、金や銀といった貴金属価格は一時的に大きく調整する動きとなりました。
 さらに足元では、中東情勢の緊張が原油市場や金融市場のリスクプレミアムに影響を与えています。歴史的に見ても、地政学リスクは短期的には市場のボラティリティを高める要因となりますが、その影響は資産ごとに異なる形で現れます。

 現在の市場は、株式、金利、為替、商品といった複数の資産が相互に影響し合う構造となっており、多くの資産で長期的に続いてきたトレンドが成熟しつつある可能性も見られます。このような局面では市場の材料に対する反応が敏感になり、価格変動が大きくなる傾向があります。
 特にインフレ環境が続く中では、債券は実質リターンを得にくい資産となりつつあり、株式などのインフレ耐性を持つ資産の重要性が高まっています。一方で株式市場も金利や為替の影響を受けやすくなっており、従来の株式と債券の組み合わせだけでは分散効果が十分に得られない場面も増えています。
 その中でヘッジファンドは、伝統資産とは異なるリターンの源泉を持つ資産クラスです。企業の成長や金利水準そのものではなく、市場の価格変動やトレンドの変化、資産間の歪みなどを収益機会として捉えるため、株式や債券とは異なる動きをすることがあります。当ファンドが組み入れているヘッジファンド戦略は今年に入ってからも安定したパフォーマンスを示しており、ポートフォリオ全体の安定性に寄与しています。
 当ファンドでは、こうした市場環境を踏まえ、成長型ポートフォリオにおいてリスク水準の適度な引き上げや、ヘッジファンド戦略間の配分見直しなどを検討しています。これは単にリスクを増やすという意味ではなく、より効率的なリターン源泉へ資産配分を調整するという考え方に基づくものです。

 金融政策、地政学、インフレといった要因が同時に市場に影響する現在の環境では、市場の短期的な動きを予測することよりも、変化する環境の中でも持続的に運用を続けられるポートフォリオを構築することが重要だと考えています。GCIエンダウメントファンドでは、株式を長期成長の柱としながら、ヘッジファンドなどのオルタナティブ資産を組み合わせることで、市場の変動とインフレ環境の双方に対応できる運用を引き続き行ってまいります。