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BUSINESS

<2025年9月を振り返って>山内英貴

トランプ関税やコロナ禍後の家計貯蓄の枯渇などを要因に、減速の懸念もある米国経済は依然として底堅く、トランプ政権による露骨な利下げ圧力も相まって米国株は堅調です。 
 日本では、石破首相退陣が発表され、高市新総裁が誕生したことから、日本株も最高値を更新しています。市場フレンドリーなアベノミクス路線が連想されているのでしょう。
 日本の与党党首交代に伴い、主要国における政府と中央銀行の距離感が更に近いものとなり、拡張的財政政策と緩和的金融政策というインフレ型のポリシーミックスが続くことになります。株式や不動産などリスク資産にはプラスで、国債や現預金のような無リスク低リスク資産には逆風、金や一部には暗号資産など通貨からの退避需要が短期的には顕在化しやすい環境といえます。
 政策の是非ではなく、市場参加者としての私たちが念頭に置く必要があるのは、このような、“いわば「バブル型」シナリオは大きなリターンを期待させるものの、永遠に続くものではない”、という歴史からの教訓かもしれません。どういう時期に、どんな理由で調整が入るのか、毎回異なるわけですが、そうしたサイクルが示現することは不可避です。そのときに何が起こるのか、事前に回避することが困難だとした場合、その渦中を無事くぐり抜けるにはどういう構えが必要なのか、ということを頭に入れたうえでパーティーに参加する必要があります。
 ビッグ・ピクチャーを含めて繰り返しお伝えしていますが、GCIエンダウメントファンドの骨子は、リスク管理を最優先した「長期分散」投資をシステマティックに継続することです。インフレ的な環境でグローバル経済の成長から果実を期待できる株式と、市場のボラティリティを収益源のひとつとして債券に代替し得るヘッジファンドをポートフォリオの中核として、円ベースでのリスク管理を最優先し、安定的な成果を受益者のみなさまとともに目指してまいります。