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BUSINESS

<2025年8月を振り返って>山内英貴

 米国による対日関税15%への決着などの材料もあり、引き続き株式市場は堅調でした。潜在的なリスクとして市場が注目してきた懸念材料が完全に払しょくされたわけではありませんが、市場のトランプ慣れもあるでしょうか、リスク資産に対して強気なムード、安心感が醸成されている印象です。日本でも、9月に入って石破首相の退陣が発表されましたが、日本株はむしろこれを強気に捉えて史上最高値を更新しています。
 ただ、すこし深呼吸をして眺め直しますと、米国では雇用と消費の息切れとインフレが共存し、日本や欧州では政治と財政に対する不安が台頭しているのも事実です。あまりにも株式市場が堅調であるが故に慎重に構える必要を感じますし、市場が織り込むよりも強い物価上昇が続く以上、債券に対してはより慎重に臨みたいと考えています。また、為替市場では、金融政策のずれによる金利差拡大を主因に進んできた大幅なドル高円安は依然として高値圏を維持していますが、私の目にはさすがに頭が重くなってきたように映ります。
 いずれにせよ、昨年8月や今年4月のような急激な短期的ショックというよりも、中期的なトレンドの転換がいつ起こっても不思議でないとも感じます。
 GCIエンダウメントファンドの骨子は、リスク管理を最優先した「長期分散」投資をシステマティックに継続することです。インフレ的な環境でグローバル経済の成長から果実を期待できる株式と、市場のボラティリティを収益源のひとつとして債券に代替し得るヘッジファンドをポートフォリオの中核として、円ベースでのリスク管理を最優先し、安定的な成果を受益者のみなさまとともに目指してまいります。