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BUSINESS

<2025年2月を振り返って>山内英貴

 大統領就任後、しばらくは国民の支持を受け、野党やメディアの批判も抑制気味といわれるハネムーン期間に、トランプ政権は矢継ぎ早に新政策を繰り出しています。英語でいうところの’ Pro-Business ’(ビジネス寄り)、そしてマーケット・フレンドリーという市場の期待に動揺が広がり、2月後半以降、株式市場とドルが急減速し、ドル長期金利も低下しました。一方、トランプ政権は、グローバルな経済秩序の再構築という「大きな仕事の前にはいろいろある」(トランプ大統領)、「経済のデトックス期間だ」(ベッセント財務長官)と意に介さず、です。


 ここでは2点だけ申し上げたいと思います。


 第一に、5年とか2年とか、あるいはもっと長期の株価チャートを眺めてみてください。2008年のリーマン危機以降の米国株の上昇ぶりは目を見張るものがあります。特にここ1年半近くはほぼ一本調子で最高値を更新し続けてきました。株式市場には変動がつきもので、その変動率のことをファイナンス用語ではリスクと定義するわけですが、株価は健全な調整を何度も繰り返しながら、長期的には実体経済の成長に沿って上昇していくものだという基本に戻れば、長期投資の立場からは慌てる必要はないと思います。


 第二に、そうはいっても先々の不確実性が増していることは間違いなく、投資家のみなさんのそれぞれの立場で何らかのリスクを管理する上での基本原則は「分散」に尽きます。


 GCIエンダウメントファンドの骨子は、リスク管理を最優先した「長期分散」投資をシステマティックに継続することです。インフレ的な環境でグローバル経済の成長から果実を期待できる株式と、市場のボラティリティを収益源のひとつとして債券に代替し得るヘッジファンドをポートフォリオの中核として、円ベースでのリスク管理を最優先し、安定的な成果を受益者のみなさまとともに目指してまいります。