<2024年10⽉を振り返って>⼭内英貴

今年の大きな市場イベントだった米国大統領選挙の結果、トランプ政権(第2期)の誕生が決まりました。ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、米国のトランプ大統領と個性の強いリーダーが国際情勢を動かしていくことになります。日本では連立与党が総選挙で敗北し、石破政権は内外に多難な運営を迫られることになるのでしょう。
世界がどういう方向に向かっていくのか、何か予想外のことが起こるのか、見通すことはできませんが、米国をはじめとする西側主要国の実態経済は底堅く、株式市場は堅調です。トランプ・トレードと称される、ドル金利上昇・ドル高・株高への市場の期待もあり、このまま大きな波乱がなければ、2024年は株式からビットコインに至る多くのリスク資産が史上最高値を更新して終えることになります。S&P500が1万、ビットコインが10万ドルといった威勢のよい声も聞かれ始めました。
トランプ新政権の経済政策の全容はまだ見えませんし、市場が強気に染まること自体は要注意だと思いますが、積極財政と関税賦課といった政策骨子は、長期的にリフレーションと金利上昇につながる可能性が高いと考えられます。前頁の基本資産配分でも述べていますが、資産クラスとしての債券には逆風です。一方、為替はドル高円安に再び振れましたが、金利と異なり、二国通貨の相対価値ですので、依然として円高リスクは軽視できないと考えています。
インフレ的な環境でグローバル経済の成長から果実を期待できる株式と、市場のボラティリティを収益源のひとつとして債券に代替し得るヘッジファンドをポートフォリオの中核として、円ベースでのリスク管理を最優先する運用を行ってまいります。